治療はやり過ぎてもやらなさ過ぎても良くない

動物、人間にはもともと自然治癒力が備わっています。

野生動物に医者や整体の先生はいるでしょうか?
たいていの病気や怪我なら、放置していても元に戻るように身体は作られているのです。

猫や犬が気持ち良く伸びをするのを、たいていの人は見たことがあるでしょう。あの無意識の伸びにより、身体の歪みを整えているのです。
野生動物でぎっくり腰になる者はおりません。

人間も、長時間車の運転をした後、サービスエリアなどで気持ち良く伸びをすることは多いと思います。無意識の気持ち良い動きによって、身体を整えているのです。
しかし、人間は社会生活を営む中で思考によって動きが制限されることが多くなってきました。

満員電車の中や教室の中、仕事中や会議中など、じっとしなくてはいけない場面が多すぎるのです。
そのような生活を続けているうちに感覚が麻痺し、「無意識に伸びたい」「気持ち良く動きたい」このような原始的な感覚が鈍麻しているのが現代人と言えるでしょう。
(感覚が鈍麻する原因は他にも沢山あります)

当院の主な治療法である「操体法」では自然治癒力のスイッチを入れることを重要視しています。
電車に例えると、患者さんが少し本来のルートから脱線した位置から、治療者が正しいレールの上に戻してあげるきっかけを与えるイメージです。あとは自然治癒力が働くまま、ゴールまで向かっていけるようになります。
施術を受ける度に感覚のレベルが磨かれ、気持ち良さを味わえるようになっていきます。そうなると身体の調子がすこぶる悪くなる前に自身の状態に気づき、自分で整えることができるようになります。

当院の治療方針上、一回で痛みを取り去ることはベストではないと考えています。
自然治癒力の妨げになりますし、何十年と積み重なったバランスを一度に変えることは身体にとって負担が大きいのです。
好転反応という言葉を聞いたことはあるでしょうか?
マッサージでいうところのもみ返しです。
治療というのは基本的に身体を緩めていく行為ですが、緩めすぎた為に身体がふらつくことなどが起こるのです。
トップアスリートで試合前に治療をやり過ぎる選手はおりません。
パフォーマンスが著しく低下します。




また、もし一回で全ての痛みを取ってしまうゴッドハンドがいた場合、それは果たして良いことしかないのでしょうか?

痛みは身体からのサインです。無理しないで欲しい、休んで欲しいと身体が知らせてくれているのです。
せっかく身体が今までの無茶苦茶な生活を改めるきっかけを与えてくれているのに、そのゴッドハンドが痛みをまるまる取っ払ってしまうのです。
おそらくそのうち治らなくなるでしょうね。

当院では全身の歪みを調整し、全身のバランスを整えながら、患者さんにも健康に対する意識を高く持っていただきます。そして自分の不調にいち早く気づき、自分で身体を整えるようになってもらうことを大切にしています。

「何が何でも一回で痛みを取って欲しい」
「痛くなったらまた来ればいい」
このような考えを持っていたり、極端に依存的な方はどうか他院へ行かれて下さい。お互い時間の無駄です。
当院の施術方針にご賛同された方は、全力で関わらせていただきます。


本日もブログをお読みいただき、誠にありがとうございました。