骨で立つ 〜踵突き出し〜



さて本日は

「骨で立つ」
というお話をしていきたいと思います。


骨で立つ!?
支えるのは筋肉でしょ!?
と思う方はもちろんいると思いますし、実際そうなのですが、

筋肉の負担を最小限にとどめる立ち方

というのは、
スネの骨→上の図にあるように

脛骨で立つ

ということです。



立ち方の異常は全身のアンバランスへ繋がる



足部の前方で立つか、後方で立つかによって、
足の筋肉の使い方が変わってきます。
(前方荷重の人が9割型ですが)


踵の方で立てば後ろへの不安定が増すため、下腿の前方の筋肉が緊張し、

また前方荷重では
ふくらはぎの筋肉が緊張します。


ふくらはぎの筋肉の持続的な緊張は、
身体後方の筋膜を介して、腰・背中への緊張も助長させ、全身の歪みへと繋がる可能性があるのです。


実際、腰痛持ちの方のふくらはぎを触ってみると、
ほぼ9割以上の人がカチカチに硬いです・・・


要するに、立ち方が悪い人は身体を痛めやすいということです。



操体法の応用



脛骨のど真ん中で立てるようになれば、

物理的には
下腿の筋肉の活動というのはほぼ抑えられるはずです。


もともと人体の構造というのは、
股関節・骨盤周りで体重を支える作りになっているため、

足関節や膝関節周りには余計な筋肉の緊張は要らないのです。


立ち方が悪い方への
荷重感覚訓練の一環として、
私は

「踵突き出し」

という操体法のテクニックを用いています。


踵突き出しとは、

患者さんに
左右の足で楽に気持ち良く踵を突き出せる足を選択していただき、
その突き出す足に対し治療者が抵抗をかけ、股関節・骨盤の方へ圧を高めていきます。

(足の長さが違う方、へのテクニックとしても有効です)

この
「突き出す足に抵抗をかける」
という手技が

正しい立位姿勢への荷重訓練として非常に有効です。


患者さんの足底へ抵抗を加える際の
治療者の手は、

足の前方でもダメ
踵に偏ってもダメ

脛骨のど真ん中
(脛骨と腓骨を結ぶ線の少し前方)
へ抵抗をかけ、

圧力を股関節・骨盤へ通していきます。


これが上手く決まると、


患者さんは非常に楽に立てる
という感覚を覚えます。

実際、足周りを触診すると、

ふくらはぎや、スネの筋肉に余計な緊張が入らなくなっていることが多いです。



セルフケア



良く腰痛になる方には
ふくらはぎのケア

を指導することも多いと思いますが、

それではなぜ
ふくらはぎが硬くなるのか!?

そこを追求していくと、
原因は「立ち方」にあるかもしれませんね。


結局のところ、歪みは日常生活から生み出されます。


患者さんの日常生活に着目することが、根本解決には必要だと感じています。


本日もブログをお読みいただき、誠にありがとうございました